流動化もたらす二つの変化

【流動化もたらす二つの変化】競売市場にとって二つの革命的な変化が生じた。これらにより、競売市場に大きな流動性がもたらされるのは確実だ。その一つは、競落物件に担保ローン設定が可能となったことだ。競売で競落できた場合、従来、支払いは原則として一括払いの義務があり、入札時にすでにその能力がある事を示す書類の提出が求められるなど、厳しい入札資格制限となっていた。これに対し、一九九八年十二月の改正により、競落物件を担保として金融機関によるローン設定が可能となった。数千万円や数億というお金をそうそうすぐ用意できる人は少ない。これまで買おうとしていた人が事実上購入資金が借りられず参入の障壁となっていたのが改善されたのである。また、この九九年七月からは住宅金融公庫の融資を受けることも可能となった。住宅金融公庫による物件の広さや間取りの審査に裁判所が協力する体制を整え、融資可能な競売物件には「公庫融資利用可」と表示する。不動産取得時の環境が競売市場と一般市場とで大きく違っていた最大のポイントの一つがこの担保設定の可、不可だったのが、これで両市場が大きく近づいたことになる。つまり、これまで競売市場は資金余裕があるごく限られた需要者にしか門戸を開いていなかったのが、担保設定が可能となれば、より一般レベルにとっての競売市場参画のインセンティブとなり、従来とは比較にならない多数の人々が競売に参加する大きなきっかけとなろう。

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