第二十九条の本当の意義

新しく加わった第二十九条の本当の意義は二つある。一つは、これまでほとんど使用されることのなかった収益還元法を今後は採用しようということである。二つ目は、後半部分の意義で、要するに「売れる価格に評価せよ」、そのために「評価法を収益還元法を採用するチョイスも可能になった」ことである。この背景には、競売というものの認知が少しずつ広まっているとはいえ、まだまだ競売市場が特殊市場と言ってもよいぐらい非一般的で、裁判所の大変な努力にもかかわらず売却率が頭打ち状態にあることへの危機感がある。日本経済混迷の根底に不良債権問題があることを政官民のいずれもが認識し、その処理を真剣に平成十年一年間をかけて模索した流れの中で導かれた一つの方向が「収益還元法」の導入であり、競売市場の円滑化・活性化であった。これらのことが、今回加わった第二十九条の二に凝縮されている。これは、競売市場にとっての朗報である。収益還元法は特に貸家や賃貸マンション、オフィスビルや商業不動産などの収益用不動産に有用だ。この収益還元法の新導入は、裁判所にとっても評価人にとっても、そして何より需要者にとっても、従来悩みの種だった多くの課題を一挙に解決できるもの

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