裁判所へのメリット

〈裁判所へのメリット〉簡単に言えば、収益還元法の評価内容が競売の信頼性を向上させ入札希望者を増やすわけである。収益還元法の導入により、特にオフィスビルや産業用不動産、貸家や賃貸マンションなどの収益用不動産に特に有効で、それらの競売が飛躍的に活性化していくと思われる。裁判所は、なかなか需要者があらわれず、あらわれても価格が適合せず、入札を何度実施しても成立しないという多大の時間やロスがかかっている現状が必ずや改善されるはずである。〈評価上のメリット〉評価人にとっても朗報だ。競売市場が、需要者への多くの情報バリアが存在するため、一般市場のようにたくさんの事例がなく参考水準が形成しにくく、バブル崩壊以前からすでに評価(評価づけ)のしにくい状況があった。そして評価が難しい、つまり入札しても買い手がなく、再評価命令が下ってくるということの繰り返しが生じていたような状況は、ポストバブルの不動産不況に入るとさらに困難度が増してきていた。一般市場で取引が激減し、参考となる取引事例が入手しにくくなる中、競売市場へは競売用案件が常時にまして持ち込まれるようになる。しかも一般市場でも価格が暴落、競売市場でのそれまでの「安い」というメリットは薄れる。しかし他の取得検討時の情報環境は相変わらず閉鎖的であり、その価格が安いというメリットがなければ売れない。

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